
表皮とは?一度は聞いたことはある言葉かもしれません。
お肌の一番上の部分の(層)で何気に触ったり、目でも確認できる角質層など・・・聞いたことはあっても、表皮には、どのようなしくみと役割があるのか。
表皮って何?お肌になくてはならない表皮について詳しく解説します。表皮のしくみと役割について
- 一番上の層(角質層)
- 二番目の層(かりゅう層)
- 三番目の層(ゆうきょく層)
- 四番目の層(基底層)
表皮の厚さ(4つの層)はおよそ、0.2ミリと言われており。コピー用紙4枚程度の厚さしかありません。
たったコピー用紙4枚の厚さしかない表皮ですが、化粧品の成分などは角質層までしか届かないのです。どうして?そんな厚さですら化粧品成分は届かないのでしょうか?
それには、角質層のバリア機能が関係しています。
また、表皮で最も重要な層は、一番上の角質層と一番下の基底層です。この2つの層のしくみが、表皮の役割のカギともいえます。
角質層のしくみと役割
角質層は0.02ミリの厚さで、よくラップ一枚程度の厚さに例えられます。
角質層は実は死んだ細胞の集まりです。死んでいるといっても、きちんと働きがあるとても重要な層なのです。
角質層は、セラミドと角質細胞間脂質により、構成されています。
セメントとレンガに例えられることが多いのですが、セラミドはレンガ(角質細胞間脂質)の間を埋めるセメントだと思っていただくと分かりやすいです。
落ち葉を敷きつめたように重なっている角質層の表面は一定の期間がすぎるとアカ(垢)となりはがれ落ちます。
セラミドと角質細胞間脂質がしっかりと積み重なった状態がバリア機能といわれる働きをします。
バリア機能は、外からの刺激(花粉やほこり)などからお肌を守ります。また、お風呂に入っても体の中に水が入り込まないのも、バリア機能の働きがあるからです。
また、角質層のもうひとつの働きには、お肌のうるおいを保つ役割も備わっています。
その成分は、「皮脂膜」 「ケラチン」 「NMF(天然保湿因子)」 「バリア機能」です。
- 皮脂膜は、皮脂と汗などが混じりあいできます。肌表面の水分の蒸発を防いでくれます。
- ケラチンとNMF(天然保湿因子)は、角質層の細胞内で細胞がうるおいを保っていられるように働いています。
- バリア機能は最も肌の保湿に関係しており、肌の内側から湧き出る水分を角質層に蓄える働きがあります。
バリア機能があることで、肌がみずから作りだすセラミドなどの保湿物質によりうるおいが維持されます。
バリア機能が正常でなくなると、乾燥肌・敏感肌の原因になります。
どうして界面活性剤を使用している化粧品がお肌に良くないといわれているのか。
界面活性剤とは食器洗い洗剤などに使用される成分で水と油が分離するのを混ざり合うようにするために使用されます。
界面活性剤は、バリア機能をとおり抜け、お肌の内部に入り込んでしまうので界面活性剤入り化粧品を長く使用すると、乾燥肌・敏感肌・肌荒れ・ニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなります。
かりゅう層(顆粒層)のしくみと役割
顆粒細胞といわれる細胞が2~3層に並んでいる層がかりゅう層です。
かりゅう層の下にある、ゆうきょく層の細胞が上がってできている層で、かりゅう層には後に角質層でNMF(天然保湿因子)になるケアトヒアリン顆粒。
後に角質層で、セラミドなどの成分となる角質細胞間脂質などがあります。
ケアトヒアリン顆粒には、紫外線を反射させ、お肌の深部に紫外線が入り込まないよう防ぐ働きをしています。
ゆうきょく層(有棘層)のしくみと役割
表皮のなかで一番厚い層で、5~10層くらいに有棘細胞といわれる細胞が並んでいるのが、ゆうきょく層です。
細胞の表面がたくさんのとげ(棘)のようになっていることから有棘(ゆうきょく)という名前がついています。
細胞同士がこの棘でしっかりつながっていて、橋が架かっているようにみえる部分は細胞間橋といわれ。
この橋の下にはリンパ液が流れており、表皮に栄養を与える働きをしています。
また、ゆうきょく層には免疫に関係するランゲルハンス細胞があります。
ランゲルハンス細胞は、細菌やダニなどのお肌にとって異物となる物質を察知する働きをしています。
基底層のしくみと役割
表皮のなかで、一番重要といえるのが基底層です。
基底膜は、表皮とその下にある真皮の間にある非常に薄い膜です。
表皮から真皮へ老廃物を送り、真皮から表皮へ栄養を送る働きがあります。
基底膜はわずか0.1ミクロンの厚さしかないといわれておりますが、肌の働きを正常に保ち、基底膜が紫外線などでダメージを受けると、肌老化が進む原因となります。
基底層には、お肌を守る働きと、お肌を作りだす働きがあります。
基底層には基底細胞といわれる細胞があり、盛んに細胞分裂をしていてその1つの細胞はゆうきょく層へ上がっていきます。
何らかの外傷を受けても基底層が壊されないかぎり、皮膚はつねに再生できます。
さらに表皮の下にある真皮を守る働きもあり、ダメージが真皮まで及ばないように基底層と真皮の間にある基底膜と一体になり真皮を守っています。
基底細胞の間には、メラノサイト(色素細胞)が存在します。
メラノサイトの数は人種によって違いはないのですが、メラノサイトが化学反応を起こしメラニンという色素に合成されることにより、メラニンの量の違いで人種によって皮膚の色が異なります。
メラニンには、黒色のユーメラニン(真性メラニン)と黄色・赤色のフェオメラニン(黄色メラニン)があり、この2種類のメラニンの比率により皮膚や髪の色に違いでます。
髪の毛で例えると、ユーメラニンが多いと黒髪に、両方のメラニンが少ないと金髪になります。
メラニンの最も重要な働きは、紫外線を防御し、日光などから皮膚を守っていることです。
メラニンと聞くと「シミ」が思い浮かぶかもしれません。
紫外線は肌にとってダメージとなるために、基底層の下にある真皮に紫外線が入り込まないように、メラニンが紫外線を受け止めています。
この時に発生したメラニンが肌にいすわりシミの原因となるのも事実です。
そのほかメラニンには、活性酸素を吸収する働きもあります。